Last Updated on 2026年8月20日 by 教育コンシェルジュ
トライ式中等部とは?基本情報をわかりやすく解説
「学校に行けない子どもを、このままにしておいていいのだろうか」と感じている方は多いと思います。そんなとき選択肢のひとつとして注目されているのが、トライ式中等部です。
ここでは、トライ式中等部がどんな場所なのか、基本的な情報をわかりやすくお伝えします。
トライ式中等部の概要と特徴
トライ式中等部は、家庭教師・個別指導で知られる「家庭教師のトライ」が運営する、中学生向けのサポート施設です。一般的なフリースクールとは異なり、学習指導のノウハウを持つ会社が運営しているため、勉強面のサポートが充実しているのが大きな特徴です。
通常の中学校と同じ9教科ではなく、子どもの状態に合わせた柔軟なカリキュラムが組まれています。「まずは週1日だけ通う」「最初はオンラインから始める」といった段階的なスタートも可能なため、学校への登校が難しい状態でも無理なく学習を始められる環境が整っています。
また、通所した日数は在籍校の出席日数として認められる場合があります(学校・自治体によって異なります)。これは不登校のお子さんを持つ保護者にとって、非常に重要なポイントです。
運営母体「家庭教師のトライ」について
家庭教師のトライは、1987年に創業した日本最大規模の家庭教師派遣会社です。長年にわたる個別指導の実績から培った「ひとりひとりに合わせた指導」という理念が、トライ式中等部にもそのまま活かされています。
全国に120校以上のキャンパスを展開しており(2024年時点)、地方在住の方でも比較的アクセスしやすい立地にあるのが強みです。また、AIを活用した学習診断システム「Try IT」を導入しており、動画授業と対面指導を組み合わせた独自の学習スタイルが特徴です。
実績のある会社が運営しているという安心感は、初めてわが子をフリースクール的な場所に預ける保護者にとって、精神的な支えになります。
通学スタイルと学習環境
トライ式中等部では、週1日~週5日の通学スタイルから選ぶことができます。また、登校が難しい時期にはオンラインでの参加も可能です。「今日は行けそう」「今日はオンラインにしよう」と、その日の体調や気持ちに合わせて柔軟に対応できる点は、不登校のお子さんにとって大きなメリットです。
教室は少人数制で構成されており、一般的な学校のような大人数でのクラス授業とは異なります。静かで落ち着いた空間の中で、先生と1対1や少人数でやり取りしながら学べるため、集団が苦手なお子さんでも過ごしやすい環境です。
施設によっては、学習時間以外にもスタッフとの雑談や昼食の時間を設けており、学校とは違う「人とのつながり」を少しずつ取り戻せるよう工夫されています。
対象となる生徒と入学条件
トライ式中等部の対象は、中学1年生〜中学3年生です。在籍している公立・私立中学校に籍を置いたまま通うことができるため、転校や退学の必要はありません。
入学にあたって学力試験はなく、面談(保護者・本人)を通じてお子さんの現在の状況や希望を確認したうえで、入学の可否が決まります。「成績が心配」「学力が低い」という理由で入学できないことはないので、まずは相談することが大切です。
なお、入学のタイミングは年度初めに限らず年間を通じて随時受け付けているケースが多く、「今すぐにでもサポートを受けたい」というご家庭にも対応しています。
不登校の子どもにトライ式中等部が向いている理由
不登校のお子さんには、それぞれ異なる背景や理由があります。「みんなと同じペース」が難しい子どもにとって、トライ式中等部はどんな点で安心できる環境なのか、具体的に見ていきます。
自分のペースで学べるフレキシブルな仕組み
不登校の子どもが最も苦手とするのが、「みんなと同じことを、同じ速さでやらなければいけない」というプレッシャーです。トライ式中等部では、個別に学習計画を作成するため、他の生徒と比べる必要がありません。
たとえば数学の場合、中1の内容からやり直したいお子さんには、そこから丁寧に教えてもらえます。逆に得意教科は先取り学習をすることも可能です。「できないことへの罰」ではなく、「できたことへの承認」を積み重ねていく指導スタイルが、子どもの自信回復につながります。
また、毎日通う必要はなく、体調の良い日だけ参加するところから始めることができます。「今週は1日だけ行けた」という小さな一歩も、スタッフがしっかりと評価してくれるため、子どもが「また来てみたい」と思える環境がつくられています。
少人数制で安心できる環境
一般の中学校のクラスは30〜40人前後。大人数の中では、視線が気になったり、音や空気感に圧倒されてしまうお子さんも少なくありません。トライ式中等部では1クラスあたりの人数を少人数に絞っており、ひとりひとりが「ここにいていい」と感じられる空間が大切にされています。
少人数であることは、先生にとっても生徒ひとりの変化に気づきやすいというメリットがあります。「今日は元気がないな」「最近この教科が楽しそうだな」といった細かな変化を拾い上げ、対応することができます。
同じような経験をしている生徒同士が集まっているため、「自分だけじゃないんだ」という安心感も生まれやすいのが特徴です。無理に友だちをつくる必要はありませんが、自然な交流が生まれるケースも多いと聞きます。
担任制によるきめ細かいサポート
トライ式中等部では、入学後に担任スタッフがつき、学習面だけでなく生活面・精神面もトータルでサポートしてくれます。「最近どんな気持ち?」「学校のことで気になることある?」といった日常的な声かけを通じて、子どもが安心して話せる関係を築きます。
担任は保護者との連絡窓口にもなっており、「今日はこんな様子でした」「次はこんな目標を立てました」といった定期的な情報共有があります。学校とのやり取りに疲れている保護者にとって、「頼れる大人がいる」という感覚はとても心強いです。
困ったときにすぐに相談できる体制が整っているため、保護者も一人で抱え込まずにすみます。
心理的サポートとメンタルケアの充実
不登校の背景には、学習の遅れだけでなく、自己肯定感の低下・対人不安・身体的な不調などが複合的に絡み合っていることがほとんどです。トライ式中等部では、こうした心理面の課題にも目を向けており、スタッフがカウンセリング的なアプローチを取り入れながら関わります。
必要に応じて、外部の専門家(スクールカウンセラーや医療機関)との連携もサポートしてくれます。「まず学校に行かせなければ」という焦りより、子どもの心が安定することを優先するという姿勢が一貫しているのが、保護者から信頼される理由のひとつです。
トライ式中等部のカリキュラムと学習内容
「勉強についていけるか心配」という声はよく聞かれます。トライ式中等部では、学力の遅れを取り戻しながら、高校進学も見据えた学習サポートが用意されています。具体的にどんな内容を学べるのかを紹介します。
基礎学力の立て直しから始める学び
不登校期間が長くなると、どうしても学習の空白期間が生じてしまいます。トライ式中等部では入学前に学力診断テストを行い、現在どの単元でつまずいているかを正確に把握します。その上で、「今の自分の学力に合ったところから」再スタートできるよう、個別のカリキュラムを組んでもらえます。
たとえば中3でも、中1の「正負の数」や小学校レベルの計算からやり直すことができます。「わかる」「できる」という感覚を積み上げることで、自信が少しずつ戻ってきます。
授業には、家庭教師のトライが提供するAI学習動画「Try IT」も活用されており、繰り返し視聴できる点が子どものペース学習を後押しします。
主要5教科の学習サポート
トライ式中等部では、国語・数学・英語・理科・社会の5教科を中心に学習をサポートしています。高校受験を意識した場合、この5教科の基礎固めが最重要課題になるため、丁寧な個別指導が行われます。
英語については、中1の「アルファベットの書き方」から、中3の「比較級・仮定法」まで、生徒の理解度に応じて段階的に進めます。数学では、東京書籍や教育出版など各中学校で使用している教科書に対応した指導も可能です。
特に受験期の中3生に対しては、志望校別の対策プログラムを組んでもらえることもあります。「どの高校に行きたいか」「どんな勉強のやり方が合っているか」を一緒に考えながら、受験に向けた学習計画を立てていきます。
体験学習・課外活動の取り組み
勉強だけでなく、社会とのつながりを感じられる体験活動も取り入れられています。施設によって内容は異なりますが、料理体験・農業体験・ものづくり・スポーツなど、さまざまな活動が行われています。
これらの体験を通じて、子どもが「自分が得意なこと」「楽しいと感じること」を再発見するきっかけになることがあります。将来の進路を考えるうえでの自己理解につながる活動として、積極的に取り組んでいます。
また、施設によってはキャリア教育として、将来の職業や高校・大学についての情報を学ぶプログラムも実施されています。「将来何をしたいかわからない」という段階でも、焦らず一緒に考えてもらえる環境があります。
高校進学を見据えた学習計画
トライ式中等部の大きな目標のひとつが、高校進学のサポートです。不登校のお子さんが高校進学を目指す際には、内申点・出席日数・学力の3つがネックになりがちですが、トライ式中等部ではそのすべてに対応するサポートが用意されています。
たとえば、通信制高校や定時制高校、サポート校への進学を視野に入れた場合でも、学力面のサポートは同様に充実しています。一ツ葉高等学校・代々木高等学校・クラーク記念国際高等学校など、不登校経験者の受け入れ実績が多い高校についての情報も提供してもらえます。
中3の秋以降は、進路相談の頻度が増し、担任・保護者・生徒の3者で高校選びを進めていきます。「この子に合った高校はどこか」を一緒に考えてくれるパートナーとして、頼りにできる存在です。
不登校の子どもが高校進学するための支援体制
「うちの子、高校に行けるのかな」と不安を感じている方は少なくありません。トライ式中等部では、不登校のお子さんが高校進学できるよう、出席日数や内申点の面からも具体的なサポートが行われています。
内申点・出席日数のカバー方法
不登校に悩む保護者が最も心配するのが、内申点と出席日数の問題です。公立高校の多くは内申点を参考にしますが、通知表の評価がつかないほど学校を休んでいると、不利になるケースがあります。
トライ式中等部では、在籍校の学校長の判断によって、通所日数を出席扱いにしてもらえる場合があります(文部科学省の通知に基づく制度)。この制度を活用するために、担任スタッフが在籍校との連絡・調整をサポートしてくれることもあります。
また、内申点に依存しない高校(通信制高校など)や、面接・作文・学力検査のみで合否を判断する高校を選ぶことも、ひとつの現実的な方法です。進路指導の中でそうした選択肢も丁寧に提示してもらえます。
連携している高校・提携校について
トライ式中等部では、グループ会社であるトライグループが運営する「トライ式高等学院」への進学ルートが用意されています。トライ式高等学院は通信制高校のサポート校で、トライ式中等部での学習・生活スタイルをそのまま継続できる点が強みです。
また、通信制高校の中でもN高等学校・S高等学校(角川ドワンゴ学園)・明聖高等学校など、不登校経験者の進学を積極的に受け入れている学校との情報共有も行われています。「まずはどんな高校があるのか知りたい」という段階でも、気軽に情報収集できます。
子どもの状況・希望・地域に合わせたオーダーメイドの進路提案が受けられるのは、個別指導に特化したトライグループならではの強みです。
進路相談と個別サポートの流れ
入学後は、定期的に進路面談が設けられます。中3になると受験スケジュールに合わせた面談頻度になり、保護者を交えた三者面談も実施されます。
面談では、志望校の選び方から、出願書類の書き方、面接練習まで幅広くサポートしてもらえます。特に作文・自己PR文については、担任が一緒に内容を考えてくれるため、「自分のことをどう書けばいいかわからない」という子どもでも安心して取り組めます。
受験当日も、事前に交通ルートや会場の雰囲気を確認しておくなど、不安を減らすための事前準備をスタッフと一緒に行えます。「受験が怖い」という気持ちに寄り添いながら進められる体制が整っています。
実際の費用と手続き方法
「費用がどれくらいかかるのか」は、保護者にとってとても気になる点です。トライ式中等部の費用感と、入学までの流れをわかりやすくまとめました。
入学金・月謝・その他費用の目安
トライ式中等部の費用は、通学頻度・コース内容・地域によって異なります。目安として、以下のような構成になっています。
| 費用の種類 | 目安金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金 | 33,000円〜 | 初回のみ |
| 月謝(週2〜3日コース) | 55,000円〜88,000円程度 | コースによって変動あり |
| 教材費・システム費 | 別途 | Try ITなどの利用料含む |
上記はあくまでも参考値であり、実際の金額は各キャンパスへの問い合わせが必要です。費用が気になる方は、まず無料相談を活用してみることをおすすめします。また、条件によっては教育ローンや分割払いに対応しているケースもあるため、相談の際に確認してみると安心です。
入学までの流れと体験入学
入学までの一般的な流れは以下のとおりです。
- ①無料相談の申込み:電話・Web問い合わせフォームから申し込む
- ②無料面談・施設見学:保護者(本人も可)がキャンパスを訪問し、担当スタッフと面談
- ③体験入学:実際の雰囲気を体験できる見学・体験日に参加
- ④入学手続き:コース・通学頻度などを決定し、書類を提出
- ⑤通学スタート:無理のないペースで通い始める
体験入学では、実際の授業の様子やスタッフの雰囲気を子どもが自分の目で確認できます。「見学だけでもOK」という形で受け入れてくれるキャンパスも多く、「入学しなければいけない」というプレッシャーをかけずに見学できる環境です。まずは子どもと一緒に見てみることが、最初の一歩になります。
無料相談の活用方法
「相談だけしてみたい」という段階でも、トライ式中等部は無料相談を受け付けています。電話・Web問い合わせ・来校など、相談方法は複数から選べるため、外出が難しい時期でも対応してもらえます。
相談では、現在の子どもの状況・学習の遅れ・今後の進路への不安など、何でも話すことができます。担当スタッフは不登校に関する知識と経験を持っているため、「こんなこと相談してもいいの?」と思うような内容でも、受け止めてもらえます。
保護者だけでの相談も可能なので、子どもに気づかれず情報収集したいというタイミングにも対応しています。
トライ式中等部を選ぶ前に確認したいポイント
入学を検討する前に、いくつか確認しておきたいことがあります。「合う・合わない」を見極めるためのポイントを整理しました。
子どもの状態に合った施設かどうか
トライ式中等部は学習支援を軸としているため、「まずは学び直しをしたい」「高校受験を目指したい」というお子さんには特に向いています。一方で、現時点でまだ外出すること自体が難しい状態の場合や、医療的なケアが優先される場合は、医療機関や福祉的なサポートと並行して利用することが大切です。
施設によって雰囲気もスタッフの得意分野も異なります。「この場所が合いそうか」を子ども本人が感じられるかどうかが、継続して通えるかどうかの大きなカギになります。無理に決めず、体験を通じてじっくり確認することをおすすめします。
他のフリースクールや通信制サポート校との違い
不登校支援の選択肢は、トライ式中等部以外にもさまざまあります。代表的なものと比べると、以下のような違いがあります。
| 施設タイプ | 特徴 | こんな子に向いている |
|---|---|---|
| トライ式中等部 | 個別学習指導+担任制サポート | 学習再開・高校受験を目指したい子 |
| フリースクール(居場所型) | 自由な活動・居場所づくりが中心 | まず安心できる場所が欲しい子 |
| 通信制サポート校 | 高校在籍+通学でのサポート | 高校生になってから通いたい子 |
| 適応指導教室(教育支援センター) | 無料・自治体運営・集団活動あり | 費用を抑えて通いたい子 |
どの施設が「正解」ということはありません。子どもの今の状態・目標・家庭の状況に合わせて、複数の選択肢を比較しながら選ぶことが大切です。必要であれば複数の施設を見学し、子ども自身の気持ちを大切にしながら決めていきましょう。
親子で見学・体験してみることの大切さ
資料やウェブサイトの情報だけでは、施設の雰囲気はなかなか伝わりません。実際に足を運んでみることが、一番の判断材料になります。
「見学に行くだけでも疲れてしまう」という状態のお子さんの場合は、まず保護者だけで見学することも一つの方法です。帰宅後にパンフレットや写真を見せながら、子ども自身が「ここ、どう思う?」と感じられる機会をつくってみてください。
子どもが「ちょっと行ってみてもいいかも」と思えたら、それが大きな一歩です。焦らず、子どものタイミングを大切にしながら進めていきましょう。
まとめ:トライ式中等部は不登校の子どもに寄り添える場所
不登校のお子さんを持つ保護者にとって、「この先どうすればいいか」という不安は尽きないものです。でも、学校だけが学びの場ではありません。トライ式中等部のように、子どもひとりひとりに合わせた環境が存在していることを、ぜひ知ってほしいと思います。
子どもの「もう一度やってみたい」を支える
不登校の子どもたちは、「勉強したくない」のではなく「うまくいかないのが怖い」「失敗したくない」という気持ちから、学びから遠ざかっていることが多いです。トライ式中等部は、そんな子どもの「もう一度やってみたい」という気持ちが芽生えたときに、すぐに受け止めてくれる場所です。
焦って学校復帰を目指す必要はありません。今の子どもに必要なのは、安心できる環境と、小さな成功体験の積み重ねです。トライ式中等部はそのための場所として、多くのご家庭に選ばれています。
焦らず、一歩ずつ前に進むために
「もっと早く気づいてあげればよかった」と自分を責めている保護者の方もいるかもしれません。でも、今こうして情報を集め、子どものために動いているその姿が、子どもにとっての一番の支えになっています。
まずは無料相談から始めてみることをおすすめします。相談したからといって、すぐに入学する必要はありません。情報を得ることで、保護者自身も少し気持ちが楽になることがあります。
トライ式中等部は、子どもとともに、保護者の不安にも寄り添ってくれる場所です。一歩ずつ、一緒に前に進んでいきましょう。